阿部樹理 著、聖なる木の下へ アメリカインディアンの魂を求めて、角川ソフィア文庫
アメリカ先住民に漠然とした興味はあれど、今を生きる彼らの姿をよく知らないので読んでみようと思っていたところ、たまたま立ち寄った本屋で目に留まって購入したのがキッカケでした。
自分とは違う文化を、単なる知識として理解するのと、それを感じて、少しでも生きて感覚的に共感し理解するのとは違うのだと感じれる1冊でした。
さほど厚くない単行本なので、気軽に持ち歩けました。
著者 阿部樹理(あべ じゅり)先生、アメリカ先住民研究の第一人者
比較文明学の博士
2019年に○○歳で他界されました。
概要
著者が大学助教授として、ラコタ族の精神世界をまとめたエッセイ。
単純にアメリカインディアンについての知識を学術的に羅列・考察したものではなく、読めば彼らの考え方や物事の捉え方を垣間見て感じれます。
『ナチュラルで環境にやさしいアメリカの先住民族』という一般的なイメージとは裏腹に、取材時1992年ごろのラコタ族に生活の苦しい現実を描写する一方、どんなに覆されてきたアメリカインディアンの文化はまだ、気高く彼らの血の中に受け継がれていることを感じさせてくれる一冊でした。
まとめ
阿部樹理先生の作品を読むのはこの本がはじめてでした。
日本の文化との相違をたんなる知識として取り上げるのではなく、感覚的の感じれる作品でおもしろかったです。
本の内容だけでなく、著者についても興味が沸きました。
他、オススメ作品:この本が気に入った人はこの作品も!
Netflixオリジナルドラマ、『アンという名の少女』
作中にラコタ族のおばあちゃんが子供のころに白人の寄宿学校に通わされていた際、祖母が学校のそばにティピを張って傍にいてくれてとても心強かった、と話す場面があります。
これを読んである映画を思い出しました。
大筋のストーリーは原作の『赤毛のアン』ですが、当時の社会問題である脱走兵、人種差別問題、女性差別問題とともに、アメリカインディアンの家族の物語も盛り込まれ、当時の人々の生き様を再現した非常に色彩豊かな作品でした。
景色も音楽も素晴らしいので、機会があれば是非1度ご観賞ください。
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